実家の固定資産税を払えない場合はどうすればよい？

「実家の固定資産税を払えないけれどどうしよう」
「固定資産税を滞納してしまうとどうなるのかな」
このようにお悩みの方も多くいらっしゃると思います。
そこで今回は、実家の固定資産税を払えないケースと固定資産税が払えない場合の対処法についてご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。

□実家の固定資産税を払えないケースについて

不動産を相続により取得した人は、その家にかかる固定資産税を支払う必要が生じます。
固定資産税は、原則として現金納付のみとなりますが、この固定資産税を支払えないというケースもあります。
では、どのような場合に払えなくなってしまうのでしょうか。

まずは、手元の現金預金が不足しているからです。
相続財産のうち、不動産の比率が高いとその分固定資産税の負担も大きくなってしまいます。
十分な現金預金がない場合、現金を納付期限までに準備できずに払えなくなってしまうのです。

次に、遺産分割協議が間に合わないからです。
遺産分割協議がなかなか進まないと、固定資産税の納付期限の方が先に来てしまう可能性があります。
なお、共有名義の不動産の場合は、その共有名義の相続人で共同の負担となります。
負担割合は、持分割合によって決定されます。
もしも誰かが滞納をしてしまうと、ご自身が払えない場合と同じリスクを負ってしまう可能性があるので十分な注意が必要です。

□固定資産税を滞納するとどうなる？

では、固定資産税を滞納してしまうとどうなるのでしょうか。

まずは、延納金の支払いです。
元々課税されていた固定資産税に加えて、延納金の支払いが義務付けられます。
金額は遅れた期間によっても異なりますが、原則納税期限の翌日から1ヶ月が経過するまでは年率7.3パーセント、1ヶ月以上が経過した場合は年率14.5パーセントの延納金を支払うこととなるでしょう。
ただし、自治体によっても異なりますので正確な金額を知りたい方はその不動産の属する自治体のホームページを確認してみてくださいね。

次に、給与や預貯金の差し押さえです。
固定資産税を支払えないと納付催促書や督促状が届きますが、これらが届いた後でも支払いをしない場合、身辺調査や財産調査が入ってしまいます。
給与や預貯金がある場合は差し押さえられてしまいます。
督促状が届いた場合は早急に支払いの準備をしてください。

最後に、物件が競売にかけられてしまいます。
滞納が続き、給与や預貯金でさえも支払えない場合は、不動産が競売にかけられてしまいます。
競売が成立すると、通常の売却よりも大幅に低い価格で売却されてしまう可能性がありますので、競売は避けるべきと言えます。

□固定資産税が払えない場合の対処法

では、固定資産税が払えない場合、どうすれば良いのでしょうか。
ここからは固定資産税が払えない場合の対処法をご紹介します。

1つ目は、自治体の担当窓口に相談することです。
固定資産税の納付書や督促状に連絡先が書いてありますので、まずは自治体の窓口に相談してみましょう。
相談をすることで適切な窓口を案内してもらえるでしょう。

2つ目は、分納です。
固定資産税を期日までに支払えない場合、事前に相談することで分納できる可能性があります。
役所の窓口や電話で対応してもらえるかもしれません。

3つ目は、減免です。
固定資産税や都市計画税の減免制度が設けられている市区町村もありますので、ご自身が該当するかどうかを確認してみましょう。

4つ目は、徴収猶予です。
徴収猶予とは、一定期間にわたって固定資産税の支払いを先送りにできるという制度です。
2020年以降は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、収入が減少した方に徴収猶予が認められるというケースもあります。
お住まいの自治体で確認してみてくださいね。

5つ目は、換価の猶予です。
換価の猶予とは、一定期間にわたって財産の売却や差し押さえが猶予されるという制度のことです。
制度を利用するためには、収入等の一定の条件を満たす以外にも、税金を納付するという誠実な意志がみられることが必要となります。
滞納がない場合に猶予が認められるかもしれません。

6つ目は、滞納処分の停止です。
滞納し督促にすら応じないという場合は滞納処分されますが、生活を維持できないほどの窮迫する恐れがあるという場合は滞納処分が停止される可能性があるでしょう。

7つ目は、土地・建物の売却です。
土地や建物の売却をすることで、固定資産税の対策ができますよ。
不動産を手放してしまえば今後は納める必要はなくなります。
差し押さえを受けて競売にかけられるよりも、売却をして売った方が賢明と言えるでしょう。

以上が対処法です。

□まとめ

今回は、実家の固定資産税を払えないケースと固定資産税が払えない場合の対処法についてご紹介しました。
固定資産税を払えない場合は、今回ご紹介した対処法を参考にぜひ試してみてくださいね。
何かご質問や疑問点等がございましたらお気軽に当社までお問い合わせください。