家の生前贈与をお考えの方へ!メリットと注意点を解説
2023/01/17
家の生前贈与をお考えでしたら、家を生前贈与するメリットとデメリット、注意点について知っておくことが重要です。
そこで今回は、家を生前贈与するメリットとデメリット、注意点についてご紹介します。
デメリットを把握して、注意点を意識しながら家を生前贈与してみませんか。
□家を生前贈与するメリット
ここでは、家を生前贈与するメリットをご紹介します。
1つ目は、贈与税の配偶者控除の特例が利用できることです。
婚姻が20年以上の夫婦間で自宅の贈与を行った場合、贈与税の配偶者控除の特例を利用できます。
この特例の利用によって、贈与税が2000万円まで非課税となります。
さらに、暦年課税制度の併用によって、合計で2110万円まで非課税にできます。
2つ目は、贈与する相手は自由に選べることです。
遺産分割協議では、相続トラブルに発展する恐れがあります。
特に家などの不動産であれば物理的に分けることができないので揉めてしまう可能性があります。
家を生前贈与することで、このようなトラブルを避けられるでしょう。
3つ目は、贈与する時期を自由に選べることです。
家の評価額は地価の変動によって一定ではありません。
生前贈与であれば、贈与する時期を自由に選べますので、その評価額が低いうちに贈与することも可能です。
4つ目は、不動産からの収入は受贈者に帰属することです。
貸付用の家を生前贈与することで、贈与後に生じる賃貸収入は受贈者の利益となります。
評価額が低く、利益の高い家であれば、効果的な節税対策ですね。
以上がメリットです。
□家を生前贈与するデメリット
では、デメリットについても見ていきましょう。
1つ目は、費用が相続時よりも高いことです。
名義変更を行う時には登録免許税、贈与を行う時には不動産取得税が課せられます。
登録免許税は固定資産課税台帳の価格の2%、不動産取得税は固定資産税評価額の3%で算出されます。
一方、遺産として相続する場合、登録免許税は固定資産課税台帳の価格の0.4%、不動産取得税は非課税です。
そのため、生前贈与は相続時よりも費用が高くなってしまいます。
2つ目は、贈与税は相続税よりも税率が高いことです。
贈与税の税率は相続税の税率よりも高いですが、性質自体が異なりますので、一概に税率のみで判断はできません。
3つ目は、相続開始前3年以内の贈与加算があることです。
相続開始前3年以内の贈与がある場合、相続財産にその贈与した財産の価額を加算するという決まりがあります。
せっかく行った生前贈与もなかったことになってしまう恐れがあります。
4つ目は、小規模宅地等の特例が利用できない場合があることです。
小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たしている土地の評価額を最大で80%減額できるものです。
以下の場合は小規模宅地等の特例が利用できないことがあります。
・「相続時精算課税制度」を利用して不動産を生前贈与している場合
・「相続発生前3年以内の暦年贈与」により相続財産に不動産の評価額が加算される場合
事前に確認してくださいね。
以上がデメリットです。
□家を生前贈与する注意点
では、家を生前贈与する時、どのようなことを注意すべきでしょうか。
ここからは、家を生前贈与する時の注意点をご紹介します。
1つ目は、相続開始前3年以内の贈与に注意することです。
不動産所有者の死期が近いたため慌てて生前贈与をしても、相続税逃れとして捉えられてしまうこともあります。
前章でご紹介したように、相続開始前3年以内に贈与した財産は相続財産に加算されることを把握しておきましょう。
2つ目は、分割贈与にはリスクがあることです。
不動産は分割贈与することも可能ですが、贈与者が途中でなくなるリスクもあります。
そのため、贈与者の健康状態や年齢次第では、年数のかかる分割贈与は避けることをおすすめします。
3つ目は、登録免許税の税率に注意することです。
前章でもご紹介したように、贈与と相続では、登録免許税の税率が異なります。
生前贈与する場合は、相続した場合の税額と比較をして検討してくださいね。
基本的に、登録免許税は現金での納付が原則となります。
そのため、高額な不動産を贈与する場合は、相続時精算課税制度を利用したり、十分納税資金対策をしたりする必要があります。
4つ目は、贈与契約書を作成することです。
生前贈与するのであれば、不動産に限らず、必ず贈与契約書を作成しましょう。
お互いの合意を明らかにしてください。
贈与が認められないということにならないように、たとえ親子であったとしても、しっかりと贈与契約書は作成しておきましょう。
以上が注意点です。
□まとめ
今回は、家を生前贈与するメリットとデメリット、注意点についてご紹介しました。
メリットとデメリットの双方の面を把握し、生前贈与するかどうかを検討してくださいね。
生前贈与する場合は、ご紹介した注意点を意識することをおすすめします。
お持ちの不動産を生前贈与とするのか、相続とするのかなどお困りごとがございましたら、お気軽に当社へご相談ください。