兄弟間で行う家の名義変更にかかる費用はどれくらい？

兄弟間で、家の名義変更をしたいという方もいらっしゃるでしょう。
そのような方にとって気になるのが、名義変更にかかる費用ですよね。
そこで今回は、兄弟間で行う家の名義変更のケースと費用についてご紹介します。
兄弟間で名義変更をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

□兄弟間で行う名義変更のケース

家などの名義変更の中でも、兄弟間で行う名義変更というケースはあまり多く見られるものではありませんが、兄弟間でも名義変更がなされることはあります。
ここでいう「兄弟」とは、血縁関係のある実の兄弟のみならず、義理の兄弟も含まれます。

名義変更をするためには、法務局に行き、申請書と必要書類を提出して手続きをします。
新しく名義人になった人物や、代理人でも手続きは可能です。
では、兄弟間で行う名義変更のケースを見ていきましょう。

＊贈与

まずは贈与です。
兄弟間であげる、もらうという考えが一致することで、贈与は成立します。
贈与には贈与税が課せられます。
ただし、親子間ではなく兄弟間ですので、低い税率が設定されている特例贈与財産ではなく、一般贈与財産に区分される税率が適用されます。

＊売買

兄弟間で名義変更をするためには、不動産の売買をするという方法があります。
適正な価格で売買すれば贈与とはみなされません。
しかし、市場価格よりも低い価格で取引をした場合は贈与とみなされ、贈与税が生じる場合があります。

また、兄弟間での売買は、譲渡所得税が課せられます。
兄弟間の売買であっても売買契約書の作成は必要ですので、収入印紙税も忘れず貼り付けて納めましょう。

＊相続

親が亡くなって複数の子に土地が相続された場合、一人の名義に絞る場合もあります。
この場合、法定相続人全員で話し合い、相続する人物を決定し、遺産分割協議書を作成します。
相続する人に相続税が課せられますが、相続税の基礎控除内の金額である場合は、相続税は課せられません。

このように、名義変更のケースはいくつかあります。
各方法によって生じる税金とそれを負担する人は異なりますが、税金が少なければ良いとも限りません。
不動産を所有する兄にとって、贈与として不動産を弟にあげる、もしくは自分が死亡した時に遺贈として弟に不動産をあげる、といった場合でも、兄の配偶者や子供が納得していなければ、兄の死後弟に遺留分侵害額請求を行うこともあります。

このような場合は、「適正価格で売買した方が賢明だった」ということになりかねません。
どのような方法を利用すべきかお悩みの方は、ぜひ当社のような専門家にご相談ください。

□名義変更にかかる費用について

では、この名義変更をするには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
名義変更では、登記をする必要があり、この時に費用が生じます。

登記にかかる費用には、登録免許税があります。
登録免許税は、不動産の評価額に0.4パーセントをかけることで算出できます。
例えば、不動産の評価額が3000万円である場合、12万円の登録免許税が必要となります。

また、相続登記を司法書士に依頼した場合も費用がかかります。
司法書士への依頼にかかる費用は、およそ6〜8万円です。
ただし、依頼先の事務所によって必要となる費用は異なりますので、事前に確認しておくと安心ですよ。

□兄弟で相続した土地を名義変更する方法

では、兄弟で相続した土地を名義変更する方法を把握しておきましょう。

まずは、必要書類の準備です。
相続登記に必要となる書類を準備しましょう。
必要書類は、以下です。
・相続登記の申請書
・登記事項証明書
・最新年度の「固定資産評価証明書」または「課税明細書」
・被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本
・被相続人の住民票の除票
・相続人全員の住民票
・相続人全員の現在の戸籍謄本

ただし、遺産分割協議によって分割割合を決定した場合は、上記の書類に加えて、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑登録証明書が必要となります。

次に、法務局へ登記の申請をします。
必要書類が揃ったら、法務局に提出をします。
相続登記には、義務や期限はありませんが、権利関係等のトラブルを避けるためにも、できるだけ早く終わらせておくことをおすすめします。

ただし、相続税の申告には、期限があります。
相続税の申告と納付は、相続発生から10ヶ月以内に行う必要があります。
期限を過ぎてしまうと、加算税を課せられてしまう恐れがあります。
なお、自己申告した場合は5%、税務署から指摘された場合は15〜20%ほど課せられます。
税務署から指摘されてしまうと、高額な延滞税を支払う必要が生じますので注意しておきましょう。

□まとめ

今回は、兄弟間で行う家の名義変更のケースと費用についてご紹介しました。
兄弟間で名義変更を行う場合、登録免許税が発生します。
また、司法書士に依頼した場合も費用がかかります。
これらに必要となる費用を事前に確保しておくことをおすすめします。
何かご質問や疑問点等がございましたらお気軽にお問い合せください。