マンションの修繕積立金は返金される?滞納している場合についても解説
2022/03/17
マンションには、修繕積立金というものがあります。
マンションに住んだことのある方は、支払ったことがあるのではないでしょうか。
今回は、修繕積立金は返金されるのかどうかや滞納している場合についてもご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
□修繕積立金ってどんなもの?
修繕積立金は、マンションにお住まいの場合に支払う必要のあるものです。
よく管理費と一緒にマンションの維持や管理に必要なものとして説明されることが多いです。
修繕積立金は、マンションの敷地や共用部分などを定期的、または計画的に修繕したり、思いがけない事故や予期していなかった修繕を行なったりするために集められるお金です。
一方で管理費は、共有部分の清掃や共用部の電気水道料金など基本的なマンションの管理に使用されるお金のことです。
修繕積立金に関しては、マンションの築年数が古くなり、建物が劣化していくことによって、値上がりする傾向にあります。
□修繕積立金は返金される?
上記では、修繕積立金はマンションの大規模な修繕やメンテナンスのために集められていることを説明しました。
また、管理費も同様にマンションの管理のためのお金でしたが、用途が少し異なりました。
修繕積立金や管理費などは、メンテナンスや管理のために集められていますが、もしそのマンションから引っ越しをする場合は、返金されるのでしょうか。
その答えは、ノーです。
修繕積立金や管理費は返金されることはありません。
まず管理費について解説します。
管理費はマンションの日常的なお掃除などに使用される費用でしたね。
賃貸物件でも管理費を支払う必要のあるところは存在します。
しかし、そのような賃貸物件でも管理費は返金されませんね。
それは、ご自身が住んでいる期間中にマンションの清掃をしてもらっていたり、その他のサービスを受けていたりするからです。
居住者側は、管理費を支払っている分、そのような形で利益を得ています。
そのため、お金だけが返金されることはないでしょう。
その一方で修繕積立金はどうなのでしょうか。
管理費は日常的な清掃に対するお金なので、理解しやすいかもしれません。
反対に、修繕積立金に関しては、何も修繕がされていないのだったら、返金されるべきと思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際には返金されることはありません。
その理由は何なのでしょうか。
中には、敷金は返金されるのに、修繕積立金が返金されないのはおかしいと思われる方もいらっしゃいます。
しかし、敷金と修繕積立金では目的がそもそも異なります。
敷金は、物件の現状復帰を目的としています。
修繕積立金の目的は、マンションを必要のある時に修繕するためです。
しかし第一に、修繕積立金は管理組合の財産となります。
管理組合とはマンションに設けられているもので、マンションを購入したら、管理組合が定めている管理規約に従う必要があります。
管理規約によると、一旦支払った修繕積立金か管理組合の財産となるのです。
マンションの管理組合に返金についての規約が記載されていない場合は、返金されるかもしれません。
しかし、通常は規約によって決められているので、確認してみることが大切です。
□修繕積立金を滞納しているとどうなる?
続いては、修繕積立金を滞納している場合どうなるかについてご紹介します。
まずは、訴訟や競売のリスクが出てくることです。
修繕積立金を滞納すると、マンションの管理や将来の修繕に影響が及びます。
そのため、管理組合としては、対処をせざるを得なくなるでしょう。
管理組合はまず、滞納している人に対して、文書による催促を行います。
催促を無視し続けて、滞納を繰り返すことによって、訴訟や競売にかけられることがあります。
そうならないために、できるだけ早く滞納分を支払うと良いでしょう。
気づかないうちに滞納していることもあります。
例えば、銀行から自動で引き落とされているはずが、残高が不足していて払えていなかったなどです。
気をつけてください。
ただ、滞納は5年経つと時効になります。
そうはいっても5年間放置しない方が良いです。
その理由は、5年経つまでに管理組合が請求や差し押さえ、または仮押さえなどの処置を行うことが多いからです。
このように法的な対応をされている期間は、時効が一時的に中断されます。
また、滞納したまま売却することも可能です。
しかし、売却した時に買主へ修繕積立金が引き継がれます。
滞納分も引き継がれることになるので、トラブルに発展する可能性もあるでしょう。
□まとめ
今回は、修繕積立金について詳しく解説しました。
修繕積立金はマンションの大規模な修繕のために重要です。
返金されることはないことと、滞納して売却したら買主に滞納分が引き継がれてしまうことに注意してください。